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梅澤 友里香
ヨガフェスタ、オーガニックライフTOKYO、神宮スタジアムナイトヨガ等1000人規模のイベントで講師も担当する。雑誌や書籍・DVDのモデルも務め、多数のメディアに注目される人気ヨガティーチャー。ヨガと食と美に関してのトータルライフにも力を入れ、『笑顔とHAPPY 』を作るライフスタイルを提案し、雑誌や書籍・DVDなどのモデル、様々なブランドのアンバサダーなども務め、多岐にわたり活躍中。
2018.06.06
#04 - 梅澤 友里香
日本でも300万人を超えたとされるヨガ人口。海外でも多くのセレブリティやプロスポーツ選手が生活にヨガを取り入れている。
ヨガをはじめる理由は人それぞれかもしれないが、ヨガを通して人生を立て直し、今では人気ヨガインストラクターの一人として、活躍する女性がいる。
梅澤 友里香 - 年間に約800本以上のヨガレッスン/全国各地でのヨガイベントやWSなどで講師を担当する傍ら、企業やブランドのアンバサダーやアドバイザーも務める。ヨギーニという自らの絶対的な芯をもちつつ、しなやかに人と世の中と繋がる梅澤。
彼女が提唱する“ライフスタイルとしてのヨガ”の中には、現代を心地よく生きて行くための術がいくつも存在した。
ー さっそくですが、梅澤さんのプロフィールを拝見すると、もともとダンスをやられていて、バックダンサーとして紅白にも出演されたり、演者さんとしてミュージカルや舞台などでも活躍されてらしたんですよね?
そうなんです。
でも、ちょうどダンサーや役者としてのお仕事が増えてきた矢先に腰を怪我してしまって、「この先どうしようかな・・・」ってすごく落ち込みました。
25歳くらいの時です。
その時に自分の心や体としっかりと向き合うようになって、それまではトレーニングの一環だったヨガをちゃんと勉強してみようと思って今に至ります。
ー そうすると、ヨガ自体に出会ったのは学生の頃ですか?
たしか18歳とか19歳の時に、1人で某ホットヨガスタジオに行ったのが初めてです。
ただ怪我をして、ダンサーとしてそれまでの様なパフォーマンスができなくなるまでは、あくまでメンテナンスみたいな感じで、時間が空いた時や気が向いた時にやってました。
ー ヨガの道にキャリアチェンジされる前と後とで、マインドや生活の面で変わったことってありますか?
ダンスをやっている時は、思い返すと結構無理をしていることが多かったですね。
肉体的にも、精神的にも張り詰めておかなきゃいけないというか、「強くなきゃいけない!」みたいなところが結構あったりして、あまり勝ち気なタイプでもないので、それがきつかったんだと思います。
ヨガの世界に入ってからは、特に気持ちの面はすごく楽になりました。「私はこういう生き方をしたかったんだな」って、なんか安心できてストンと納得できたんです。
ー ダンスや芸能活動をしてた時は、競争の世界にいたわけですもんね。
競争もそうですし、「絶対他の人より出来なきゃいけない!」っていう意識に囚われていたのかもしれないです。
それがヨガの場合は、だいたいどこで教わっても、まずはじめに「頑張りすぎなくていいですよ」って言うんですよね。
それがすごく衝撃的で、「やらなきゃいけない!」「これを完成させなきゃいけない!」っていう人生だったんで、最初は腑に落ちなくて、「何言ってんの?やらないとできないじゃん?」とか思ってたんですけどね(笑)
でも、やってるうちに「頑張りすぎなくていい」という意味が理解できるようになって、「それ以上を求めることも、ここで止めておくこともできる」っていう、その選べる心地よさが、ヨガにはあるんです。
ー なるほど、すごくわかりやすい対比ですね。生活習慣も変わりましたか?
それはもう、全然違います(笑)
ダンスや舞台をやっていた時は、まだまだ下積みの域は出られていなかったので昼夜問わずでしたから。
例えば夜中の12時から朝の5時まで深夜の練習をして、次の日がお休みならいいんですけど、そのまま寝ずにバイトをしたりとかもありましたね。
今はその頃に比べると朝型ですし、週の生活リズムもほとんど変わりません。
ー 規則正しく負荷もない感じですね。
そうですね。
あとは食べる物も変わりました。
ヨガと向かい合うまでは、なんかやっぱり、食べるものも当時のその場所にいる人たちに合わせてたんですよね。
でもそういう場所に行ったら「なんで食べないの?」って気を使われたり、場をシラケさせたりするもが嫌だったから無理して食べてたわけですけど、もう無理しなくていいんだってなれた時からすごく健康になりましたね。
食べ物も生き方も自分に合う物を選ぶようになって、人と違ってもそれを貫けるようになりました。
ー そこに対するストレスがなくなったということですね。
今はないですね!
多少はヨガインストラクターという肩書も手伝ってくれてるかもしないんですけど、お肉を食べなかったり、「食べる物には気を使ってます!」って言うと、「ああ、ヨガのインストラクターでもんね!」って結構それで済んじゃうので、別に説明する必要がなくて「ああ、そうなんだ。やっぱそうだよね!」で終わっちゃうんですよ(笑)
ー じゃあ25歳あたりのタイミングで食生活もガラっと変わったんですか?
ヨガの学校に通い始めてからちょっとずつちょっとずつ変わっていきました。
ヨガをただ単純に受けに行ってる時はそこまで変わらなかったんですけど、ちゃんと勉強し始めて、ヨガの哲学とかライフスタイルだったり、アーユルベーダルについて学んでいくと「ああ、なるほど」って思って「なんで今まで無理してたんだろう」って思えて、それでどんどん“戻っていった”という感覚ですね。
ー “戻っていった”というと?
そもそも無理をしていただけで、自分自身は変わってなかったんです。
だから戻していったら、結局楽チンな自分がいて、「私、嘘ついてたよな」と思えて、それからはもう霧が晴れたような感じで、食べる事も楽しくなりました。
ー 毎日どんなスケジュールなんですか?
いくつかパターンあるんですけど、例えば8時頃から10時頃まで練習とトレーニングのためにスタジオへ行って、11時から1レッスン。
そこから16時頃までイベントの打合せや取材の時間を入れて、夕方・夜のクラスでレッスンして、21時頃帰宅するみたいな感じですかね。
ー 練習というのはご自身のですか?
自分の練習ですね。
でもやっぱり今みたいに「何の練習?」って言われるんですよね(笑)
私も、初めの頃は確かに思ってたんです。何か大会や発表会のようないわゆる“本番”に向けて練習をするのが普通じゃないですか?
でもヨガの場合は「何の練習?」って言われても、「えっと・・・日々の練習。」としか言いようがなくて。
ー やっておかないとスポーツみたいに衰えたりするんですか?
そうですね・・・私の場合は動かなければ感覚も鈍るし、感覚が鈍っている状態で人に教えるということはできないですね。
当たり前の事かも知れませんけど、むしろ先生だからこそ、生徒よりも練習しておく必要があると思っています。
だから、レッスンの前に時間がある時は、尊敬する方や、自分の先生に値する人のレッスンを受けに行ったりもします。
ー 素晴らしい心掛けですね。本当、おっしゃる通り。
あと、私が考えるヨガの良いところの一つは、ゴールがないことなんです。
別に何かの本番があるわけでもないし、例えば私もできない難しいポーズがあったりするんですけど、「じゃあそれをいつまでにやりたい?」って問われると、「この身体がなくなるまでにできればいいかな」っていう感じなんです。
なんか、先生だからとかじゃなくて、ヨガをする人として、人生をかけてヨガをしたいなって。
ー 一生かけてヨガを突き詰めていきたい。
そうです!
もともとはダンスがすごく好きだったので、そのダンスができなくなった時には、自暴自棄みたくなって、夜な夜な泣いてたんですけど、でもなんかこう、大事なダンス出来なくなったのは悲しかったけど、その怪我の経験がギフトになったと今は思います。ある意味神様が導いてくれたような感覚で。 そんなヨガを一生かけてやりたいと思ったんですよね。
「じゃあ何をしよう?」となった時に、その前にまずは身体を整えることをしなきゃいけないと思ってヨガやピラティスとかっていうものに目がいきました。
「一生をかけて何かに向かい合うための自由な身体を作りたい」と思って。
ダンスをしていた時から「一生何かをしたい」っていうことに意識が向いてるんだと思うんですよ。
それがちょっと形が変わって、今はこういう生き方をしています。
でもそこに義務はなくて、呼吸したり眠ったりするのと同じように、自由に自然に一生かけて付き合っていけたらいいかなって。
ー 肩の力が抜けていて素晴らしいなと思うんですけど、それもヨガの教えなんですか?
ヨガをするにあたって「コレはしちゃいけない。アレはした方が良い。」っていうような、規律というか、いくつかの教えがあります。
教えと言っても、子どもの頃に習うようなすごく普通のことで、「暴力振ってはいけませんよ」とか、「人の物を盗んじゃいけませんよ」とか、「清潔でいなさい」とか、何十個かあるんですけど、なんかその程度のことなんだけど、大人になって本気でやると結構難しかったりするんです。
“暴力”というのも、肉体的なものや言葉だけではなくて、「考え方から暴力を振るわないようにしなさい」というのが教えです。例えば通勤ラッシュの構内で、人にドンとぶつかった時にイライラしてしまうのは感情や思考の暴力になりかねないです。上手くコントロール出来るように教えを受けてます。
“盗む”というのも、物品やお金とかを盗むだけじゃなくて、“人の時間”を盗まないようにします。無駄に人の時間を取らないように。
“清潔でいなさい”というのも、お部屋はもちろん、体を常に清潔にしてると心もクリーンになってくるから、そうやって生きなさいってとか。
もしかしたら、人によってはこうした教えや規律が窮屈に感じるかもしれませんが、私の場合はこれのおかげで自由になれていると思います。
ー “暴力”にしろ“盗む”にしろ、確かになかなか難しいですよね。無意識の部分まで制御できないといけないですもんね。
難しいですよね(笑)
ー 本当に難しいと思います。それにしてもダンスといいヨガといい、一つのことをグッと掘り下げられるのは幼少期からですか?
凝り性なんですね、多分。
でも飽きっぽいというか、好奇心旺盛なので色々とやってみるタイプでもあります。
親は、学生の頃の私が、あまりにも色んな事に興味を示すから、どこへ向かっていくのか不安だったみたいです(笑)
ー 梅澤さんがご両親を不安にさせていた過去が想像できないですけど、例えば?
まず進路も統一性がなくて。
ちょっと中学生の時にはっちゃけてしまって、勉強もしてなくて先生にも嫌われて、もちろん内申もガタガタで、ほとんど行ける高校ないよみたいな(笑)
ー そんなにはっちゃけてたんですか!?
実は・・・はい(笑)
もう選択肢がほとんどない中で某農業高校を選んだんですけど、今となってはそこ行ってよかったなってすごい思ってるんですよね。
自然に触れる機会も多くて気持ちが丸くなったとし、学校も自由すぎてユニークで。
例えば、入学時は同級生の新入生たちは、ほぼ全員が金髪なんですよ。私も含めて(笑)
ー うそ!?
それが本当に「金髪で入学する規則なの?」みたいな感じでした(笑)
それが先生たちも、もう別にそれをしたからって怒らないし、全然違う制服着てても、「もう~全く~」みたいなくらいで終わっちゃうから「え?」って思って、「張り合いないじゃん!」となってくるんですね。
そうすると、やりたい事はだいたい高1でやりきってしまって、高2・高3と上がっていくにしたがって、少しずつ大人になっていくんです。
ー 縛られないから。
縛られないからとりあえず全部やってみる。
例えば髪や服装だと、高1から何の規制もなく色々試してると、高2ぐらいで自分に似合うのとか好きなのが見つかって、それでしばらくは定着するんだけど、高3になる時にはほとんどの子が、自主的に黒髪にしてるっていう(笑)
ー もう一通りやって、やっぱ黒髪が一番いいんじゃないかと?
「染めるの面倒くさいしもういいや」と。
なんか本当の教育ってこういうことだなって私は思いましたね(笑)
ー 確かに。法を犯したりしない限り自分でやらせて納得させる。
ですです。
法に触れちゃうともちろん駄目ですけど、やってみないとやっぱりわからないから、一度やってみて、失敗なら失敗で、なんか成功なら成功で納得できますよね。
ー でも面白いな。中学校の時のはっちゃけてた梅澤さんを見たいですね。
いやもう、なんか大変でしたよ。親も学校に呼ばれてたし(笑)
自分で言うのも気が引けますけど、素直なんですよ。だから興味のあることはとりあえずやってみなきゃ気が治まらない。
髪を染めたいとか、ピアスを開けたいとか。
ー はいはいはい。
別になんか法に触れることをするわけでもないのに、なんかそれだけで駄目駄目って言われて怒られると、もう駄目の暗示に掛かっちゃって、夜中徘徊し始めたりとかしちゃうんですよね(笑)
ー 反抗期ど真ん中ですね(笑)ダンスを始めたのはいつ頃からですか?
ジャズダンスを始めたのは高校三年生の終わり頃なんですけど、幼稚園から小6までバレエをやってました。
バレエは正直あまり好きではなくて、小学校を卒業するタイミングでやめちゃったんです。“やらされてる感”が嫌で楽しくなかったんです。
でも高3の終わり頃、ジャズダンスをやってる友達を見て「かっこいい!私もやりたい!」って思って、そこからまた始めたんです。
やっぱり自分の意志で始めると続けるんですよね、ちゃんと。
ー そこからダンスに没頭していくわけですね。
それがまた、我ながら良くわからない進路を取ってしまいまして・・・。
農業高校を卒業したのに、そこから服飾科の短大に行ったんです。洋服が好きだっていう理由だけで(笑)
ただもう、進路が決まった後で始めてしまったダンスの方が優先順位は高いので、学校はほどほどに服屋さんでアルバイトしてるかダンスしてるかという時間の使い方になりましたね。
ー バイトしてるか、ダンスしてるか(笑)
そうです。たまに「単位やばいから学校行かなきゃ!」っていう感じで、学校は一番後回し。
上手く踊れないと悔しくて「絶対できるようになってやる」、「人の何倍も練習しなきゃ」って、今思うと相当ダンスに時間を使ってました。
ー でも高校を卒業するぐらいからダンスを始めて、その後アーティストさんのバックで踊ったりとか、紅白歌合戦に出演できるレベルに到達するのって凄くないですか?僕のイメージですけど、ダンスでそうした活躍をする方って、もう小学校とか、幼稚園とかから踊ってるように思うんですけど。
まあでも、幼稚園から小6までバレエやってたので知ってることも多かったんですよ。
もちろん知らないこともたくさんあったから、そこはもう「追いつくしかない!」ってことで、毎日3レッスンとかハシゴして受けてました。
ー それは学校行けないですね(笑)
たまに行って、課題はちゃんと提出して単位は取るみたいな感じですね。
ー 要所は押さえて、とにかく踊りまくっていた。
そうですね。
それで、短大卒業したらもっと本気でダンスがしたくて、そのままフリーターになったんです。
学生の時と同じように、バイトしながらしてダンスをして、たまに舞台に出させてもらったりとか、、ちょっとずつちょっとずつ実績みたいなものができていきました。
ー いよいよ舞台にも出演されていくわけですね。
舞台は私にとって、生き残るための手段だったんです。
そんなに才能があるダンサーではなかったので、別の切り口を探って、それが舞台でした。
だから、舞台のオーディション情報が欲しくて、いわゆる芸能事務所みたいなところにも入ってました。
ー 簡単に仰いますけど、芸能事務所は入りたくても入れない人の方が多いですよ(笑)
いえいえ、そんなに大きな事務所じゃなくて、本当にちっちゃい事務所だったんで(笑)
ー お芝居にはこう、グッと行かなかったんですか?
なんか楽しい時期ももちろんあったんですけど・・・。
ー 役者にはハマらなかった。
はい。
舞台の稽古期間中に朝から晩まで缶詰めになってると、「演技してるより動いてる方が好きだな」って。
ただ、舞台での経験や実績をエッセンスにして活動していきたかったので、ダンスの要素が強いミュージカル的な舞台から、ダンスなしの舞台まで幾つかやらせてもらいました。
でもその辺りで「ああ、もう身体ダメだ」って。
これはきちんと身体をケアしないといけないと思って、舞台のお仕事と並行しながらヨガの養成学校に入って、1年間かけて、全米ヨガアライアンスやその時興味を持った資格はどんどん学びに行きました。
舞台の方も最後の1年で、受かりたいなって思ってた舞台にも立てて、なんだかんだ充足感はありましたし、最後は未練もなくスパッと辞められましたね。
ヨガのインストラクターになってからは、おかげさまで順風満帆に色々なチャンスをいただいてきました。
ー ヨガインストラクターになられて現在に至るまでの間、ダンスの時みたいに人と比較して「頑張らなきゃ!」みたいなのもあまりなく、トントンときましたか?
いえいえ、多少はありましたよ(笑)
なんかそれなりのことはしましたね。
フリーランスの道を選んだので、今でこそスタジオさんから委託されるレギュラーレッスンも持ってますけど、最初はありませんから、週に3回とか2回とかの中で生徒さんから支持していただかなくてはなりませんし、集客も自分でやらないといけませんでしたから。
もう集客の仕方とか、いろんな人に駄目出しされて挫けそうになりましたけどね(笑)
ー うまくいくようになった“きっかけ”は何かありましたか?
うまくいったのは、仲間のおかげですかね。
その頃、ヨガも関係なく、地元の友だちたちでオーガニック製品だったりロハス的な生き方だったりをもっと身近にしようっていう趣旨でNPOを立ち上げたんです。
残念ながら今はもうやってないんですけど、当時のメンバーの支えが大きくて、相互に助け合ってたんです。
「友里香のクラス良いから行っておいでよ!」とかっていう風に私の知らないところで宣伝してくれてたりとかして、「ああ、ありがたいな」って思って。
そうやってヨガ以外のところでも仲間がいたっていうのは宝物だし、めちゃくちゃ助けてもらったので、感謝してます。
ー 人に恵まれてますね。一緒にNPOをやられてたのは高校の時のお友だちですか?
中学の、もう全力ではっちゃけてた時の友だちです。
みんな、暮らし方や自然のことを考えられる立派な大人になりました(笑)
例えばその内の一人は、奇跡のリンゴの木村さんの八百屋さんで働いてたり、自然の中で暮らしたいという欲が強い子がなぜか多いです。
ー 欲が強いというか、“自分”をちゃんと持っている方が多いんでしょうね。だから、思春期にも主張されていたんでしょうし。
そうかもしれないですね。
あと、NPOでアースデイとかにも出店したりしましたけど、そこでまたヨガ関係以外の人の繋がりが広がっていって、この時の経験だったり気付かせてくれたことも、大きな財産になっています。
ー 気付かせてくれたこと?
コミュニティとコミュニケーションってすごく大事だなってことです。
うまく伝えられないかもしれないですけど、例えば食べ物について考えた時に自然栽培がいいとか、オーガニックがいいとかありますけど、でも何が一番大切かと聞かれたら、温かい気持ちになって食べ物を食べられることなんですよね。もちろん科学農薬を使ってないとか大事かもしれないども、一緒に食べる人たちとの空間だったり、作った人の顔が見られて、そこでコミュニケーションが取れるれたりすることの方が大切なのかなと。
ー 同感です。コミュニティの語源は「共有」を意味するコミュニスですけど、すごく小さくても良いので共感を共有できるコミュニティが経済的な意味合いだけではなく、価値を持つ時代ですよね。
はい。
なので、レッスンもそうですけど、生きる上でのテーマがコミュニティを作るという意味もふくめて、“コミュニケーション”なんです。
例えば人といざこざがあったとしても、なんかそれは自分自身の固定観念もあるし、向こうの固定観念もあるからいざこざする場合もあるじゃないですか?
ちゃんと説明すれば「ああ、なるほどね」ってなる事がほとんどなのに。
お野菜も作ってくれた農家さんの事をよく知っていて、コミュニケーションが取れる距離感にいられたら、「ごめんごめん、無農薬で作りたかったんだけど、今年はちょっと農薬使わないと作れなかったんだ」って言われたら、「全然いい、全然いい、あなたが作ったものなら美味しく食べれるよ」っていう関係性や信頼感はコミュニケーションからしか生まれないですよね。
ー そうですね。その考え方は梅澤さんのレッスンからも感じられそうですね。
ヨガをしたいなって思ってる人たちには、ちょっとした悩みがある人たちが多いんです。
体に対してとか、心や考え方に対してとか。
レッスンを一方的にするのも、もちろん集中できていいのかもしれないですけど、私の場合は「最近どう?」とか、なんかちょっと伏し目がちの方だったら「最近なんか辛いことあった?」とか話しかけます。
私はライフスタイルとしてのヨガが好きなので、私のヨガのレッスンに来て、そこで心もほどけてくれた方が嬉しいですから。
同じクラスの生徒さん同士でもコミュニケーションがあって、そこで仲良くなったり友だちができたら、それはその人の心の栄養にもなると思いますし、単にメソッドとしてのヨガのレッスンをするのではなくて、生き方としてのヨガを提案したいですし、ヨガを通じて“居場所”みたいなのを作っていきたいなって思ってやってます。
ー それが梅澤先生の人気の秘密なんですね。ただレッスンをやるのではなくて、そこでコミュニティが産まれるように意識している。
そうですね。
ー あと、解きほぐしてあげるためのコミュニケーション。それは自分にとってもなんだと思うんですけど。
そうですね。
まあなんか、人は鏡とかって言うじゃないですか。
なんか向こうが楽しんでくれると、私もやっぱ楽しいので、自分が楽しむためにやっているっていうような感じもあります。
ー 他にも何かレッスンで、大切にされてることや心掛けてることはありますか?
痛みを感じることは極力やらせないことですね。
ー それはポーズとか動きとかについてですか?
そうです。
痛がってやるっていうのはあんまり。
じゃあ、ちょっと緩めようっていう風にしたいけど、まあ私自身はチャレンジが好きなんで、チャレンジをさせるし、するんですよね。
なので、身体に嘘がないような動き、流れを作ってヨガのクラスをするようにしてるんですよね。
人としての身体に沿ったようにして動かしていく。
体に嘘がない動きをするとやっぱり気持ちいいし、体に嘘がないと心にも嘘をつかなくなっていくんです。
私も関節が弱いタイプなんで、筋力をつけた方が良いよと先生に言われて、筋肉がある程度ついてきたら、なんかすごく自分の中で重心が定まってフワフワしなくなったんですよね。
体が定まってくると、心も同じように浮つかなくなってきて、「こういう安心感っていいな」って思うようになりました。
ー 安心感、安定感が出きてくるということですね。
筋肉が心身の安心や安定につながるってわかったので、ある程度の筋力と柔軟性を一緒に作っていって、しなやかな身体を作れるように意識してメニューを組むようにしています。
強過ぎず、弱過ぎず、柔らか過ぎず、固過ぎず。
ー それもレッスン内でやってるんですか?
そういう流れを作るようにしています。
あとは体の構造的な部分が理解できると吸収も早くなるので、特にレギュラークラスでは割と細かく指示します。
ー 「その足をもう3センチ後ろに」とかそういう感じですか?
「そこ腸腰筋使うからそこもうちょっと引いて」とか。「右足のそこの筋肉に力入れたいから、もっとかかと押して」とか(笑)
ー わあ~、それは自分で言うのはちょっと照れくさいかもしれないですけど、レッスン後の生徒さんたちからの感想が容易に想像できますね。
有り難いことに、「わかりやすい」と仰ってくれる人が多いですね。
私の場合ヨガをちゃんと学び始めたきっかけは、ダンサーとしての体作りのためだったので、できるだけ体の構造を理解した上で動かすように心がけてきました。
なので、ポーズも割と細く、「こうするとお腹が抜けちゃうから、云々かんぬん」と細かく伝えることもおおいです。。
そうすると、「今までなんとなくやってたのが、ちゃんとわかるようになった!」と言ってくれる人も結構いますね。
個人的に“土台を作る”ことがすごく大切だと考えていて、ポーズも“入り方”が上手く行けばあとは大体上手く行きます。
だから“入り方”をきちんと伝えて、そこから気持ちいいレベルは自分で探してもらうようにしています。
いい意味で最後の方は放置するようにしてますね。
もちろん本当に危なそうだったらお助けしますけど(笑)
ー わかり易いでしょうね。お話ししてても、擬音語があまり出ないですよね。先生によっては「もっとスーッと」とか、「グッと」とか「スッと」とかって言われてもわからないよねっていうのが多少なりあると思うんですけど、梅澤さんの場合すごく論理的でしかもそれがわかりやすい。
私も時々「スーッ」とか「バーッ」とか言いますよ(笑)。
だけど、すごく尊敬している先生がいて、解剖学とか理学療法士の先生で、ヨガのインストラクターでもあるんですけど、その先生はむしろほとんどヨガのレッスン中に細かいインストラクションはしないんですよ。
それで、レッスンが終わった後にわからない部分を聞くと、圧倒的にわかりやすく説明してくれるんです。「何々筋がどういう風に回旋して、何々をして・・・」みたいな感じで。
だから私も出来るだけ論理的に構造から理解してもらえるようにしたいなと思っています。
体のことを理解して整えると、心もついてくるんです。
心で心を整えるのはすごく難しいけど、体で心を整えるのって実はすごく簡単なんですよね。
ー 僕、今ちょっと鳥肌立ったんですけどね。この間、俳優の中泉さんもまさに同じことを仰ってて、「心を整えたいんだったら先に体を整えないと心が整わない。」って。それってヨガの世界では定説なんですか?
みんながみんな同じことを言っているわけではないけど、あたり前のこととしてお伝えしても良いのではないかと思っています。
ー 梅澤さんの経験からもやはり体が整うと、心が整うよと。
私自身が経験してきたことですからね。
だからこそ、体を整えることはすごく大事なことだなと思っています。
ヨガの中では、“体は魂の住むところ”だと言います。
住むところなので、やっぱり綺麗にしておかないと埃もたまるし、なんか見たことのない生き物も出てくるかもしれないですよね(笑)
そう考えると、誰でもキレイに整えておきたいですよね?
あとは心底好きなことを続けるっていうことがすごく大事かなって思います。
私の場合は身体を動かすのが心底好きだったので、とことん突き詰めていった時に、体を動かすこと自体がライフスタイルになっていったんですよね。
ー ライフスタイルの中に体を動かすことはヨガ以外にもありますか?
ピラティスもやってます。実は、ピラティスの資格も持ってまして。
不定期ですがフォームローラーを使ったピラティスを教えたりもしてますし、人より多く歩いていると思います。
ー 意識して歩くようにしているんですか?
意識して歩いてますね。
すごく頭の中がスッキリするし、特に午前中に歩くのがいいですね。
午前中の、ちょっとまだ元気な時間に川沿いや木々の中を歩くと、それだけで1日のパフォーマンスは違ってきますよ。
考え事や何か解決しなきゃいけない事が、整理できますから。
ー 通勤時だと一駅歩くだけでもいいですよね。
そうですね。おススメです!
それに歩くことは骨にもいいんです。
現代人は骨が弱くなりやすいそうなんですけど、骨はある程度刺激を与えなきゃ強くならないんです。
フィットネスやジムでのトレーニングも必要だと思うんですけど、普段体を動かしてない人たちがハードな運動をしても、痛めてしまうことが多いので、いきなり何キロもランニングするんじゃなくて、まずは意識して歩いてみるのがいいと思います。
ー 骨にもいいんですか!?
はい。なので、母が健康診断で骨が弱くなっていると診断された時にも「絶対歩きな!」ってアドバイスして、だいぶ良くなっています!
ー それは素晴らしいことですね。では睡眠についてはいかがですか?
睡眠も大事ですね。
アロマと枕はこだわっています。
アロマはその日寝る時の気分で使い分けています。
枕は首が弱いという事もあって、色々と試したんですけど、なかなかフィットしなくて。
行きついた先は、薄めの低反発枕にタオルを重ねて、その日の調子に合わせて厚みを調整しています。
ー では発酵飲料はいつもどういうタイミングで飲まれてますか?
私は朝飲みます。
朝食にスムージーを作るのが日課なんですけど、スムージーに足して飲んでますね。
スムージーもLLEと同じように、旬の時期のお野菜や果物で作るようにしていて、それにLLEを足すとどんな材料を使っていても加減よく味が整うんです。
ー 美味しそう!ご愛飲いただいてありがとうございます!
もう、すっかり定番になってます。
朝摂るのと、お腹が動く感じがしてとてもいいです。
最初は空腹の時にお水で少し薄めて飲んだんですけど、飲んだ後でお腹がグルグルグルって動いて「おお!すごい!」って感じでした。
ー 定期的にファスティングをしたりもするんですか?
意外かもしれませんが、ファスティングは滅多にしません。
基本的にあまり食べないので。正確に言うと、あまり食べられないんです。
昔はそれも変なコンプレックスがあって、よく食べられる人に憧れてました。
でもたくさん食べると胃が痛くなるから、私には向かないんだと思って、自分の適量にするようにしたんです。
そしたら「私少食ですごい燃費いい!食べる量はめっちゃ少ないのに、めっちゃ動く!」みたいな感じでポジティブになれました(笑)
それからは「三食、必ずこの時間帯に食べないとダメ」みたいな固定概念からも解放されたし、外食の時も、他の席のお料理とかを見て量が多そうだなって思ったら、「なるべく少なめでお願いします」って最初からお伝えするようにしています。
もう食べ切れないってわかっていたら、その方がフードロスもなくて平和だなって。
ー ご自身で料理もしますか?
しますねけど、あまり手の込んだものは作れないので、素材の良さがそのまま味わえるものが多いですね。
愛情かけて作られた食べ物って、例えば大根とかも、湯がいただけでびっくりするくらい美味しいっていうのとかありますよね?
私と母は体質や食べ物の嗜好が似ていて、なんかそういうのが昔から好きなんです。
ー 確かご実家は老舗のお漬物屋さんだと伺ってます。
そうです。
でも、お漬物は大人になって好きになりました。
実は子どもの頃は臭いも苦手で大嫌いだったんです(笑)
だから散々子どもの頃に「身体にいいんだから食べなさい」って言われても「嫌だ、嫌だ」って言って困らせてました。
ー それは意外でした(笑)
でも今では大好きですよ!
湯船があること、お味噌汁があること、と並んでお漬物があることも、日本人に生まれてよかったなと思うことです(笑)
ー 良かったです(笑)そう言っていただけると、ご両親も誇らしいでしょうね。
ー ブランドのアンバサダーだったり、ツアーパッケージでの取組みだったり、現在の梅澤さんの活動は通常のヨガインストラクターの枠に収まらないものも多いと思います。
有り難いことに、そうですね。
でも、私の場合はアレコレできますっていうのではなくて、結局やっていることは“ヨガ”なんです。
基本的にヨガのインストラクターとして、お役に立てることをするというのがポリシーですね。
ー ちなみに「ヨガインストラクター」と「ヨギーニ」、梅澤さんを表現するのに適しているのはどちらなんでしょう?
両方正しいですよ(笑)
ただ、ヨガのインストラクターである前に、私はヨギーニだし、ヨギーニの前に女性だし、女性の前に人間です。
なので順序関係でいくと、ヨガのインストラクターである前に、私はヨギーニであるべきだと思っています。
私自身がいちヨギーニだから練習も欠かさないし、ヨガ的な生活を愉しんで続けられるからこそ、ヨガインストラクターとしての一面もあるんです。
ー ヨギーニとして、これから実現していきたい世界や目標があれば教えてください。それは他者に対してでもいいですし、社会に対してでもいいし、自分自身に対してでもいいし。
怪我をして自分を見失いそうになって救ってくれたのがヨガでしたから、「ヨガの良さをいろんな人に伝えたい」というのが根本にあります。
健康になっただけでこんなに笑顔が増えて、楽しくなるんだったら、これは伝えるべきことだと思って。
健康健康とそれだけ言うとチープに聞こえてしまうかもしれないんですけど、「健康であるだけで、人の役に立てる。」って思うんです。
誰かの役に立てるとまた人は喜びや生きがいを感じられますよね?だから健康第一ってほんとそのままなんですけど、何をする上でもベースになります。
おかげさまで今こうして、ヨガのインストラクターとして活動する中でそういう機会が増えて、「これは私の使命なんだな」って感じますし、「運が良いな」とも思っています。
なので、私が経験してきたことやヨガから受けた恩恵を伝えながら、それが誰かの人生のヒントになれば幸せです。
私は世界をどうしたいとか、世界平和の為にとかって大きなことは言えないけど、ヨギーニとして、ヨガインストラクターとして、また一人の人間として、せめて今隣にいる人たちの笑顔は作れる人にはなりたいなと思っています。
ー 素敵ですね。
なんかそうやって、なんかそのお隣の人がそのまたお隣の人をっていう風にどんどん輪が拡がっていけば、いい世界になっていきますもんね。
(聞き手:石川裕也、ライター:花房道子、撮影:古末拓也)
※各商品に関する感想は個人の感想であり、商品の効果効能を示すものではございません。
産地が明確な最高級のオーガニック食材など、ELLE café(エル カフェ)独自の規定をクリアした 'ストーリーのある食材' が織り成すフレンチカリフォルニアキュイジーヌ。ELLE café Aoyamaにて心と身体が歓ぶ、モダンウェルネ スなひとときを。
<アクセス>
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-51-8 1F・2F
TEL:03-6451-1996
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